ベーシックゾーン
オーディオディレイ
basici-02
話している声を遅れて聞くことができる装置を使って声が遅れて聞こえると話しづらくなることを体験し、「聴覚フィードバック」について学ぶ。
解説Explanation
ヒトは、口を動かして声を出すと同時に、自分の声を耳で聞き取り、その音に合わせて口の動きや声の出し方を調整していて、これにより、スムーズに話すことができていると考えられています。
音は空気中を毎秒約340m進みます。口と耳は15cmほど離れているため、自分の声をわずかに(約0.44ミリ秒)遅れて聞いていますが、普段は気になりません。しかし、この展示のように声がさらに遅れて聞こえると、自分の声を調整するタイミングがずれてしまい、混乱して、うまく話せなくなってしまいます。
深堀りDeep dive
自分が何をやっているのかを感じ取れなくなると、正しく行動できなくなる現象は、歌を歌うときにも起こります。たとえば、声が思っている音程より高ければ声帯(のどの奥にある、声を作り出す部分)の動きを調節して低くし、逆に低ければ高くするというように、常に調節が行われています。合唱の時、となりで別のパートの人が大きな声で歌っていると、歌いづらくなることがあります。これは、自分が正しい音程で歌っているかを聞き取れなくなるからです。
このような、動きの結果をもとに動きを調節することをフィードバックといい、声以外の場面でも使われています。たとえば、自転車に乗っているときは、自分の体のかたむきを、直接体で感じたり、まわりを見て感じ取ったりしています。そして、そのかたむきをもとに、姿勢やハンドルを調節しています。
声や自転車ではあまり意識することはありませんが、意識的におこなう調節もあります。たとえば、スポーツ選手は、自分が野球のバットをふる様子や、走っているときの姿勢をカメラで撮影して、その様子を見ることでトレーニングに役立てています。また、ダンスの練習を鏡の前でするのも、同じように、自分の様子を見ることで、自分の動きを調節するためです。これもフィードバックの一種です。
キーワード
- # フィードバック
- # 発話
- # 聴覚
参考・引用
- 河原英紀、聴覚フィードバックの発声への影響、日本音響学会誌 Vol. 59, No. 11、2003
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/59/11/59_KJ00003142544/_pdf/-char/ja
- B. S. Lee, “Effects of delayed speech feedback,” J. Acoust. Soc. Am., 22, 824–826 (1950).
- フィードバック制御(電子回路設計 入門サイト)(閲覧:2024-10-15)
- https://www.kairo-nyumon.com/control_feedback.html