ベーシックゾーン
電子顕微鏡
basich-13
顕微鏡の仕組みや用途を学ぶ。また、マイクロスコープで物を拡大して観察する。
解説Explanation
顕微鏡には、観察したい対象物に何を当てるのかによって、光を使う「光学顕微鏡」と、電子線を使う「電子顕微鏡」に分かれます。
理科の授業などで使われる光学顕微鏡は、可視光と呼ばれる目に見える光を使います。たとえば、対象物の下から当てて、通り抜けてきた光をレンズを使って集めることによって、拡大された像を作ります。
一方、電子顕微鏡は、光の代わりに電子線と呼ばれるビームを使います。対象物の下から当てて、通り抜けてきた電子線や、対象物に上から当てて跳ね返ってきた電子線を、電子レンズ(電磁石を使って電子線を曲げる装置)で集めます。電子線は目には見えないので、コンピューターを使って拡大された像を作ります。

深堀りDeep dive
17世紀なかばに登場した光学顕微鏡は歴史的にさまざまな種類のものが作られてきました。今日の光学顕微鏡は複数のレンズを使った複式顕微鏡ですが、1674年にレーウェンフックが微生物を発見したときに使ったのは単式顕微鏡と呼ばれるレンズが1枚のものです。
また、両目を使って観察できるようにした光学顕微鏡もあります。「実体顕微鏡」は、拡大率はそれほど高くありませんが、対象物を立体的に観察することができます。一方、「双眼顕微鏡」は、立体的に見えるわけではありませんが、同じ像を両目で見られるようにすることで観察しやすくしたものです。
光学顕微鏡も電子顕微鏡もレンズを使うと拡大することができますが、どれだけ拡大できるかには限界があります。ある程度まで拡大すると、像がぼやけてしまい、目で直接見たり、コンピューターで拡大された像を作っても、細かい部分を観察できなくなります。2つの点がならんでいるとき、その点がどれだけ離れていれば、はっきり別々の点として見分けられるかを「分解能」と言います。
分解能は観察したい対象に当てている光や電子波の波長(波の細かさ)によって決まります。光学顕微鏡では可視光(波長約400~800ナノメートル)を使うので、200ナノメートル(= 0.0002ミリメートル)程度の分解能となります。一方、電子顕微鏡では電子線(波長0.00197ナノメートル、加速電圧300kV時)を使うので、数ナノメートルの分解能となります。

キーワード
- # 光学顕微鏡
- # 分解能
- # 電子顕微鏡
参考・引用
- 1.4 分解能と開口数|1.顕微鏡光学の基礎|顕微鏡の基礎─日本顕微鏡工業会(JMMA)(閲覧:2025-01-06)
- https://www.microscope.jp/knowledge/01-4.html
- 電子顕微鏡の原理 | JAIMA 一般社団法人 日本分析機器工業会 (閲覧:2025-01-06)
- https://www.jaima.or.jp/jp/analytical/basic/em/principle/
- 山本 真司, 梅本 恭平, 山下 健一郎、「電子顕微鏡—歴史と最新技術—」、電気学会誌、133 巻 5 号 p. 298-301、2013年(閲覧:2025-01-06)
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal/133/5/133_298/_article/-char/ja
- 杉山滋郎(監)、スペースタイム(著)、科学史ひらめき図鑑、ナツメ社、2019年