ベーシックゾーン
不思議な家具
basici-03
部屋をさまざまな方向からのぞくと家具などの見え方が全く異なる「奥行き・陰影の錯視」を体験し、視覚の不思議さについて学ぶ。
解説Explanation
ヒトは、目から入るさまざまな手がかりで、見ているものの立体感や奥行を感じ取ります。その手がかりの1つが「両眼視差」です。遠くのものは左目で見ても右目で見てもほとんど同じように見えます。しかし、近くのものは左右の目で見たときの見え方が大きく変わります。この見え方の違いが両眼視差です。
展示では穴からのぞくため、片方の目だけ家具を見ることになります。そのため、両眼視差という手がかりが使えなくなり、立体感や奥行を感じづらくなります。
深堀りDeep dive
両眼視差のほかにも立体感や奥行を感じる手がかりがあります。乗り物に乗って外を見ると、近くのものは速く、遠くのものはゆっくりと通り過ぎて見えますよね?これを「運動視差」と言います。また、平らなお皿とボールを比べると、ボールは丸いので光が当たるとなめらかな影ができます。これによって、ボールは立体的に見えます。これらの手がかりは、両眼視差とは違って片目だけでもわかります。
さらに、私たちは日常生活での経験から知っていることを使って、見ているものの形を考えます。たとえば、普通は「部屋」や「家具」の角は直角だと知っているので、実際には直角でなくても、直角だと思ってしまいます。
右手と左手の人差し指を伸ばして、目の前で指先をくっつけてみましょう。両目を開けていれば簡単ですね。ところが、どちらか片方をつぶると、指先を正確に合わせるのが難しくなります。これは、片目になると両眼視差が使えなくなり、右手と左手の指の位置や距離を正確に判断しづらくなるためです。
両眼視差は立体感の手がかりのほかに、面白い感覚を生み出しています。金属のコップや鍋を見ると、光が当たってキラキラ光りますね。実は、キラキラも左右の目で見た時の光の反射の違い(両眼視差)によって感じられるのです。片目ずつ見てみると、その違いが分かります。
キーワード
- # 両眼視差
- # 立体感・奥行
- # 視覚
- # 陰影
参考・引用
- 松田隆夫、視知覚、培風館、1995
- 両眼立体視(脳科学辞典)(閲覧:2024-10-16)
- https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E4%B8%A1%E7%9C%BC%E7%AB%8B%E4%BD%93%E8%A6%96
- 西田眞也、画像における質感認知の心理物理学的分析、光学 vol. 43, no. 7、2014
- http://www.shitsukan.jp/tsudoi/mt_files/43-07-kaisetsu1.pdf